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2019年3月期現地訪問調査

丸紅のサプライチェーンの2019年3月期現地訪問調査をご紹介します。

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サプライチェーン2019年3月期現地訪問調査

2019年3月訪問 タイ 製糖工場

New Krung Thai Sugar Factory Company Limited

2019年3月、当社および丸紅欧州会社の共通の仕入先であるタイの2製糖工場を訪問し、サステナビリティの状況について調査を行いました。
調査の結果、両社のサステナビリティへの対応状況について、当社「サプライチェーンにおけるサステナビリティ基本方針」への重大な違反事項は発見されませんでした。

法令遵守全般

  • 工場操業に適用される法令の遵守に関し、専門組織であるSafety & Health, Environment Departmentを設置し適用法令を把握・特定しており、専任スタッフがチェックリストを用いて、月一回遵守状況をチェックしています。
  • 適用法令の内容については、アナウンスメント・ボードへの掲示のほか、メール発信やイントラネットへの掲載により、従業員に周知しています。

人権尊重、労働条件、賃金等

  • 従業員の処遇を含むDevelopment Sustainability Policyを策定していることを確認しました。
  • 法定である18歳未満の児童労働を防止するため、雇用の際にIDカードによる年齢確認を実施しています。また、従業員リストにより、18歳未満の従業員がいないことを確認しました。
  • サトウキビ農園での児童労働禁止キャンペーンを実施し、調達担当者が農園訪問時などにチェックを行っています
  • 全従業員と、労働時間、賃金、残業代、休暇等の雇用条件を記載した雇用契約書が締結されています。
  • 1日8時間、週6日間を上限として、労働時間の管理が行われていました。
  • 有給休暇、傷病治療のための休暇に加え、特別休暇制度が整備されていることを確認しました。
  • 人権、労働条件等の問題については、意見箱(Opinion Box)を通じて会社に申し立てできる仕組みが導入されていました。

環境保全

  • 機械設備からの騒音、バガス(サトウキビ搾汁後の残渣)保管場所からのダスト、排水による水質汚濁が、工場の操業から生じる可能性がある環境影響として考えられます。
  • 環境への配慮を含むDevelopment Sustainability Policyが明文化されていることを確認しました。
  • Safety & Health, Environment Departmentが、環境法令遵守を含む工場の環境管理全般を所管しています。
  • 排水処理後の水質、騒音、大気への排出について、定期的にチェックを行い、全て法定の排出基準をクリアしていることを検査記録で確認しました。
  • 廃棄物については、バガスなど、全て肥料、飼料、燃料として再利用されており、廃棄処理が必要なものは発生していませんでした。
  • 危険化学物質の取扱いはありませんでした。

公正取引

  • Anti-Corruption Policyが策定され、管理者ミーティングや、メール発信、アナウンスメント・ボードへの掲示により周知されていました。

労働安全衛生

  • 従業員の労働安全衛生を含むSafety & Health, Environment Policyが明文化されていることを確認しました。
  • Safety & Health, Environment Departmentが、工場の労働安全衛生管理全般を所管しています。
  • 工場内労働者の労働安全面では、トラックへの積荷作業に伴う怪我等の可能性が考えられますが、入社時に全労働者に対してヘルメット、安全靴などの保護具を会社が支給しています。また、労働安全に関する従業員研修を実施していることを記録で確認しました。
  • 工場内には、部署ごとに応急処置キットが設置されていました。また、診療室が設置され、救急車も保有しており、緊急時には近隣の病院に救急搬送できる環境であることを確認しました。
  • 工場内には、消火栓、消火器が各所に設置されており、消火器については定期点検がなされていることを工場内視察時に確認しました。

品質管理

  • 2000年3月に品質の国際規格であるISO9001認証を取得し、定期的に更新することにより、適切な管理体制が構築されていました。
 
  • 製品保管倉庫
    製品保管倉庫
  • トラックへの積み込み作業
    トラックへの積み込み作業
  • 定期点検済みの消火器
    定期点検済みの消火器

Kampang Petch Sugar Company Limited

法令遵守全般

  • 工場長が法令遵守の統括責任者となり、環境関連法令、労働安全関連法令を中心に、定期的な監査、政府当局への報告を実施するなど、適切な対応がなされていました。

人権尊重、労働条件、賃金等

  • 法定である18歳未満の児童労働を防止するため、雇用の際にIDカード、パスポートによる年齢確認を実施しています。
  • 1日8時間の所定労働時間を遵守するため、パンチング・カードによる管理がなされています。
  • 社内規程(Staff Rules & Regulations)に則り、雇用条件を記載した雇用契約書が全従業員と締結されています。
  • 労働条件については、従業員とのミーティングに加え、アナウンスメント・ボードに掲示することにより、周知徹底が図られていました。
  • 賃金支払記録により、法定最低賃金を下回らない賃金等が、毎月2回定期的に支給されていることを確認しました。
  • 有給休暇に加えて、傷病治療のための休暇制度が整備されていることを確認しました。
  • 労働条件等の問題については、Welfare Committeeを通じて会社に申し立てできる仕組みが導入されていました。

環境保全

  • 機械設備からの騒音、搬入トラックの埃、排水による水質汚濁が、工場の操業から生じる可能性がある環境影響として考えられます。
  • 環境への配慮を含むSafety & Health, Environment Policyが明文化されていることを確認しました。
  • 第三者による環境監査を、年2回定期的に受けていました。
  • 排水に関する水質検査、大気への排出検査、騒音検査を定期的に実施し、法定基準の遵守に努めていることを記録で確認しました。
  • 危険化学物質の取扱いはありませんでした。

労働安全衛生

  • 従業員の労働安全衛生を含むSafety & Health, Environment Policyが明文化されていることを確認しました。
  • 工場内労働者の労働安全面では、高所での作業による落下、砂糖袋の落下による怪我等の可能性が考えられますが、全労働者に対しヘルメット、耳栓、安全靴などの保護具を会社が支給し、年一回、教育訓練を実施するなど、事故発生防止に努めていました。また、工場内には応急処置が可能な診療室が設置され、医療関係者が常駐する体制になっていることに加え、工場から2km圏内に病院があり、救急搬送できる環境であることを確認しました。
  • 従業員用の飲料水サーバーが、工場内各所に設置されていることを確認しました。
  • 工場サイト視察時に、機械設備の一部の露出部分、車両パーツ用の潤滑油の保管状況に関し、労働安全上の懸念が発見されたため、当社から改善要請を行い、直ちに改善対応がなされたことを、同社からの現場写真付きの報告により確認しました。

品質管理

  • 2000年5月に品質の国際規格であるISO9001認証を取得し、定期的に更新することにより、適切な管理体制が構築されていました。
 
  • トラックに積み込まれた原料
    トラックに積み込まれた原料
  • 工場設備外観(一部)
    工場設備外観(一部)
  • 労働者保護具に関する掲示
    労働者保護具に関する掲示

サプライチェーン

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