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Social 社会

2025年3月期現地訪問調査(SIP社)

★2025年3月期現地訪問調査(SIP社)

サプライチェーン2025年3月期現地訪問調査

2025年3月訪問 タイ水産養殖加工会社

2025年3月、当社グループの仕入先であるタイ南部のエビ養殖加工会社、Seafresh Industry Public Company Limited(Seafresh社)に、水産物の持続可能な調達に関するアドバイザー業務を行う株式会社シーフードレガシー、および労働者の人権問題を専門とするNGO「Dignity in Work for All」(DIWA)と共に訪問し、サプライヤー調査を実施しました。
当社グループ基本方針に則り確認した結果、法令遵守、人権尊重、労働安全衛生、環境面について、重大な違反事項は確認されませんでした。調査基準および主要な確認事項は以下の通りです。

<調査基準>

本調査では、主に以下の観点を評価の基準とし、リスク管理状況を確認しています。

人権・労働安全衛生面
  • 丸紅グループサプライチェーンにおけるサステナビリティ基本方針
  • 丸紅グループ人権基本方針
  • 丸紅グループ労働安全衛生基本方針
  • 丸紅グループ水産物調達方針
  • 現地関連法令
環境面
  • 丸紅グループサプライチェーンにおけるサステナビリティ基本方針
  • 丸紅グループ環境方針
  • 丸紅グループ水産物調達方針
  • 現地関連法令

人権・労働安全衛生面と環境面については、これまでにサプライヤー調査で採用した調査手法をベースに、2024年に公開した「丸紅グループ水産物調達方針」と一貫性のある調査シートを作成しています。
また、現地調査に際しては、Seafresh社より事前質問票にて活動状況の情報提供を受け、現地での追加確認書類のリクエストやワーカーインタビューの準備を行いました。

なお、現地調査では、人権・労働安全衛生面でSeafresh社のSocial Responsibility(SR)マネージャー、および人事担当にヒアリングし、調査シートに基づいて詳細を確認するとともにエビデンスとの整合性を確認し、かつ広範なワーカーインタビューを51名に対して行うことで、方針や取り組みの浸透状況、労働環境におけるリスクについて検証を行いました。環境面については、Chief Operating Officer(COO)、SRマネージャーおよびQuality Control and Audit(QCA)マネージャーを主なヒアリング対象として、加工場と養殖場での環境負荷の実態を確認するとともに、定期モニタリング記録や業務に関連する許認可・認証等の書類確認を行いました。また、国際的な基準を用いて、原料の孵化場から製品化までのトレーサビリティ状況の確認を簡易的に実施しました。

<確認事項>

ガバナンス
  • 法令遵守を含むガバナンスに関する方針を策定し、投資家などのステークホルダーに対する透明性を確保していること、社内の責任分担を明確にし、報告および実施手順を定めた文書を整備していることを確認しました。
人権
  • 国籍に関わらず従業員満足度が高く、特にタイ人労働者において、雇用規定や人権および労働者の権利に関する社の方針に対する理解度が高いことを確認しました。また、グリーバンスシステムが機能していることを確認しました。
労働安全衛生
  • 労働安全衛生面において優れたガバナンス体制が整っていることを確認しました。
  • 作業セクションごとに労働安全衛生を実施するための手順が明確に示されており、内部リスク評価においてリスクに対するレビューが定期的に実施され、特定されたリスクに関する管理および緩和策が示されていることを確認しました。
  • 労働安全衛生および作業環境に関する方針に適切な規定が含まれており、現場視察ではこの方針がタイ語、ミャンマー語、クメール語、英語で掲示板に掲示されていることを確認しました。
環境
  • 製氷を含む事業で使用する水資源の保全が実践されており、施設内で使用する水については一部再生水が使用されていること、養殖場では循環式陸上養殖施設(RAS)が導入され、水資源の利用と排水による環境影響が低く抑えられていることを確認しました。
  • 施設全体における再生可能エネルギーの利用が促進されていることを確認しました。
  • 加工過程で生じるエビの頭や殻は近隣の飼料会社に毎日販売しており、適切に廃棄され二次利用がなされていることを確認しました。
  • 施設内で使用されるシングルユースプラスチックは、施設内に数箇所収集所が設けられており、適切に処分されていることを確認しました。
水産業に特化した環境インパクト
  • 養殖場周辺の生物多様性および環境に関する包括的なインパクトアセスメントが実施され、指摘された課題について改善を図っていることを確認しました。
  • 加工施設だけではなく、養殖場での水質や給餌に関する細かなモニタリングが国際的なベストプラクティスにしたがって実施されており、記録が適切に保管されていることから水質の悪化が確認された際には早急に対応が可能なリスク管理がされていると言えることを確認しました。
  • 加工原料として調達するエビについてはSeafresh社の環境方針に沿った調達がされていることを確認しました。
  • 掲示版に、人権配慮、生物多様性配慮、労働安全衛生、認証機関の要求等を掲載
  • 現地NGOのグリーバンスポスターを3か国語で掲示
  • 会社独自のグリーバンスシステムを敷地内複数個所に設置
  • 敷地内の医務室に設置された救命具と授乳室
  • 応急処置室
  • 安全な飲み水を敷地内の各所にて無償で提供
  • 工場内の水循環システム
  • RASで養殖開始された稚エビ
  • 貯水池

サプライチェーン

丸紅株式会社